憲法第25条第1項に規定する生存権と生活扶助

このうち裁判規範性を認めていないプログラム規定説に対しては、現在は純粋にこれを支持する意見は殆どみられません。抽象的権利説と具体的権利説は25条に裁判規範性を認めていますが、立法府を拘束するほどの明確性の有無については見解が分かれています。生存権を具体化する法律がない場合でも、具体的権利説では25条を根拠に立法を行うよう求めることができますが、抽象的権利説ではできないとされています。しかし抽象的権利説でも生活保護について定めた法律の受給者が、その法律の規定に違憲性があるとして訴訟を提起することは可能です。
一方、行政府を拘束するほどの明確性については、3説いずれにおいても認めていません。憲法第25条を根拠として行政に対し具体的な生活扶助を求めることは、どの説に従っても出来ないという点では共通しています。
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